サービスのご案内


フェルデンクライス・ATMクラス:毎週火曜日19:30−20:45
場所:Conte-Sapporo
札幌市西区琴似1条4丁目2−15ニシムラビル4F
(東西線琴似駅すぐ)
http://conte-sapporo.com/evb_feldenkrais.php

フェルデンクライス・FIレッスン:完全予約制
場所:地下鉄円山公園駅徒歩5分
料金:8,000円(ATMクラス受講者、子供は割引あり)


Integrated Healingセッション:完全予約制
対面:15,000円
スカイプ:13,000

ご興味のある方、どうぞお気軽にお問い合わせください。
fk-hakusan[at]hotmail.co.jp
(*[at]を@マークに変えてください)

2019年1月21日月曜日

意識の方向



















フェルデンクライスには、目の動きのレッスンが多くあります。

指示に従って目を動かしていき、動いていく中で
呼吸やからだの他の部分に何が起こるかに
注意を向けていきます。

そして、片目だけにひたすら注意を
向けてやることが多々あります。
でも片目を動かせば、当然もう片方も
同様に動きますよね(歌舞伎役者のように
片目だけを動せる人は別ですけど)。

それなのに
レッスン途中で体の感覚を確かめると、
意識を向けた側だけが楽になっていたりします。

しかも目だけでなく、半身全部が。


大事なのは動きそのものではなく、どこに注意を向けるか、なのです。


しかし、フェルデンクライス博士は
こんなレッスンをよく思いついたよなあ、と
毎回レッスンをする度に感動しちゃいます。


どこに注意を向けるか。
これは体だけでなく、心、思考に対しても同じことが言えます。

日常での様々な出来事に対し、
私たちは、過去の自分の経験や学習に基づき
脳で意味づけを行い、良い悪いといった
価値判断をしたり、好き嫌いの感情を持ったりしています。


日本でも、数年前にマインドフルネスという
言葉が流行ったそうですが、
ここ最近、マインドフルネスベースの瞑想が
身体にも精神にも良い影響を与えるという
科学的な研究結果が色々と出てきているようです。


で、マインドフルネスとは?

この動画では、こう定義していました。
「今この瞬間に、ある特定の方法で
意図的に価値判断なしに注意を向けること」


では、なぜこれが身体やメンタルに良い影響を与えるのでしょう?


マインドフルとは、行なっていることと
頭の中が一致していること。
つまり、何かをしながら別のことを考えていたら、
それはマインドフルな状態とはいえません。

歯を磨いている時、100%歯磨きに集中しているでしょうか?
料理をしている時、100%料理に集中しているでしょうか?

、、、と考えてみると、一日の中でマインドフルな状態で
いるのって、一体何パーセントぐらいなんでしょう?


私たちの心は彷徨いやすく、
しかも面白いことにネガティブなものに
目がいきやすいようになっています。
脳とはそういうものなのです。
なぜなら脳にとって一番大事なことは生命を守ること。
そのためには常に、あらゆる危険を想定し、
察知し、それを避けなければならない。

楽しかったことより、嫌なことの方が
いつまでも頭の中に残り、そのことに
ついてウジウジ考え続けてしまうのも
脳の機能を考えると当然、
なわけですね。


脳の役目は私たちを生き延びさせること。
幸せにすることではないのです。
だから未知なるものへのチャレンジも好みません。
未知なものには、どんな危険があるかわからない。
今の状態がつまらなくても、
それで命が脅かされる危険がない、とわかっていれば
脳はそちらを選びます。
だから、何か新しいことをやろうとする時、
例えば「めんどくさい」という
感情を起こして、私たちを止めようとします。



「幸せとはスキルだ」

同じ動画の中で、ウィスコンシン大学の
ディヴィッドソン教授は言っています。

より良く生きたいと望むのであれば
彷徨いやすく、ネガティブな方向に
いきがちな心に気づき(=メタ認知力を高める)
自分がフォーカスしたいものに
心を向けるための訓練が必要なわけですね。
それが、マインドフルネス、なのです。


そして、このマインドフルネスの概念を
運動系に特化させたものが
フェルデンクライスのATMレッスンと言えるでしょう。
あ、ちなみにマインドフルネスという名前が一般に
浸透したのは、かなり最近のことで、
フェルデンクライス博士が
生きていた時代よりずっと後のことです。
ただ、もともと仏教の哲学からきているし、
例えばヴィッパサナー瞑想なんかは、
マインドフルネスとすごく似ている(というか
ほとんど一緒のように見える)し、
多岐にわたって貪欲に
学んでいたであろう博士であれば
それらの瞑想法も知っていたかもしれません。


感情や思考に飲み込まれず、静かに気づいていく。
からだに対しても、心に対してもメタ認知力を
上げていくことは、これほどの量の情報が飛び交い
すごいスピードで移り変わっていく世の中では
必須の’健康法’と言えるかもしれません。