フェルデンクライスに出会って、体って本当に面白いな、と思うようになりました。
自分のからだなのに、何にもわかってない。実に奥深く、思考の及ぶ範囲なんて、とても限られているんだなあと。
でも、「自分のからだ」なんて考え方自体どうなのかな、とIHのセッションをするようになって思うようになりました。
IHは、筋反射を使って体からいろんな情報を引き上げていくわけですが、それらの情報は身体から来てるのではない、身体にあがっているけど、実はその、もっともっと向こうから来ているのだと感じるのです。
セッション中、行なっている側の私の身体にはいろんな体感が起こってきます。その感覚によって、ああ、核心的な情報がくるな、とか、話す(放す)ことに抵抗してるな、といったことがわかったりします。自分のセッションをやっていると、さらに色彩豊かな感覚が起こってきて、とっても面白いです。そして時々、「これは私の話じゃない」と、はっきり感じたりするんです。確かに私の情報として上がってきているけど、もっと、なんというのか、漠然とした集合体からきてる感覚があるのです。そうなってくると、実は身体なんていう枠はないんじゃないのかな、そもそも「私」という独立した存在も、結局のところないんだろうなあと、自然に思えてくるのです。そしてそれを教えてくれるのが身体、なのがまた面白かったりするわけです。
話はずれますが、ベルギーのブリュッセルに、王立美術館という美術館があります。この美術館、割とこじんまりしてるのですが、私、大好きなのです。
古典部門では確か12、3世紀の作品から時代をおって近代まで作品が並んでいるのですが、17世紀ごろを境に世界(この場合、ヨーロッパ、ということですが)が変わったことをはっきりと感じさせてくれます。ちょうど精神・肉体二元論を唱えたデカルトが出て来た頃ですね。それまでは精霊や妖精たちと一緒に生きていたのが、目に見えるものだけを信じる世界になった。その時代以降の作品が並んでいる部屋が、随分とがらんどうとして見えたのが、すごく印象的だったのを覚えています。
そのデカルトあたりから続いていた世界観が、また少しずつ変わろうとしている、今はきっとそんな時代なんだなと、まあいろんな人が言っているのですが、私もそういう気がしています。テクノロジーによって人間はより感覚的になり、インターネットによって爆発的に増えた情報というきっかけで、内に拡がる自分と更に繋がっていければ良いのだと思います。
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